ハロー・レディ!体験版

ハロー・レディ!

気が早いけど2014年ド本命の一つってくらいにはなるんではないでしょうか。大変面白く、早く製品版で続きがプレイしたいです。

世界でも有数の超能力、というかアフターヒューマン開発学園に主人公は招待され編入します。癖のある人格の主人公で周囲とは問題を拗らせつつも、そんなことは些事とばかりに人生はじめての学園生活を謳歌しようとします。
というとよくある話の筋書きですが、入学前の物語冒頭から同級生は謎の存在を超能力でブチのめしたり、武装してヒロインに銃を突きつけていた反超能力主義の過激派テロリスト集団を主人公が体術だけで制圧したりで、物語はしょっぱなから普通の学園ラブコメとは違うものを見たいというプレイヤーの期待に応えてくれます。
入学したらしたで広大な学園の敷地内にあきらかにヤバ目な施設があったり、単に学園生活を送りたいだけではない主人公のダークヒーロー的な動きもあったり、授業中に施設は工作員によって爆破されたりと物語は色々な側面を見せてくれます。

筋書き自体の面白さに加えてキャラクターの魅力も負けてはいません。
何より特徴的なのはその実力に裏打ちされた尊大な人格の主人公。過剰なまでに偉そうで常識外れな言動に周囲は振り回されっぱなしですが、暴君というわけではなく不思議な魅力のある人物です。
ヒロインも負けずに固い決意と超能力者の中でも格別の実力を持つ生徒会長タイプのメインヒロイン、主人公を排斥しようとする他の学生とは唯一違い優しく接する即堕ち派男装チョロイン、早々に主人公との対決に敗北を喫しその後小物臭を醸し出し続けるコメディリリーフのド田舎出身純情派ヤンキー娘、朔の為に主人公を探るうちに懐いちゃってる毒舌サブカル愛好地元民のロリ枠と、これだけ書いてしまうとそれなりにいそうなキャラクターですが、主人公との独特の掛け合いで今までにいそうでいなかった感じのキャラクターとして目立ちます。
サブキャラも葉に衣を着せぬ物言いで主人公と絶妙な会話のキャッチボールを行いつつも唯一の真の理解者っぽいメイドや、まさかの非攻略対象の冷静派お嬢様もウラのありそうな行動を見せてくれたりで飽きさせません。

失速知らずで駆け抜けるストーリーはまさにエンタメで、小難しすぎないのも好印象です。読ませる作品にしては選択肢が多めなのが少し面倒そうな感じはしましたが、少なくとも今月のタイトルの中では抜きん出たものになるのは間違いないでしょう。